意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「よ、お疲れ。
このあと立花来るから」

「何だ、一緒じゃないのか?」

出口前のお化けに小声で話しかける。

「生意気言うから置いてきた」

意地悪だな、と笑うクラスメイトの前を横切って、俺は出口を抜けた。

「ぎゃああっぁぁぁ!」

「やぁぁぁ!」

お、やってるやってる。
きっと今頃すっごい驚いた顔してるぞ。