意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

すぐに呼ばれるかと思っていたけど、そうでもなかった。
後ろの様子を伺いながら少しずつ前に進む。

板で仕切られた壁に手をついて、おずおずと進む立花。
てか、目、つぶってない?
見ない作戦なんだろけど、物理的に危なっかしい。

「うおぉぉぉ~!」

「やっ……?!」

プレーヤーから流れ出るうめき声に身を縮める。
こないだ録音してたの、見てたよな?
高橋だぞ、それ。
大丈夫なのかよ、こいつ……。