意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「へー、すごいな」

ぐるりと見渡して、腕を引いたまま歩く。
昨日は電気もついてたし、仕上げ前だったからわからなかったけど。
なるほどこれは、思った以上によくできてる。

「バカ、意地悪、変人!
瀬田のバカバカバカ!」

無理に連れてこられて、相当ご立腹のようだ。

「え? なにお前、怖いの?」

「や、うるさい!
怖くないし!」