意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「瀬田、邪魔しないでよ、あたし、宣伝に行くんだから!」

「知らずに宣伝とは、またどうしたことかねぇ?
さ、入るぞ?」

嫌がる腕をぐいぐい引っ張る。
もしかしてこいつ、怖いのか?

「ちょっ……待ってって!」

受付で中川が、「預かっとくね」と、かぼちゃのバックを立花から受け取った。

「ひっ……」

いつもの明るい教室は成を潜め、薄暗い空間が広がっている。
隣には小さく悲鳴を漏らす立花。
やっぱり怖いんだな?