私の恋は、期限つき

「美香さん、他、ありませんでしたか?」


「ん~、メモに書き出しといたから、それ持って行って。」

そう言われ、美香さんの机にあったメモを手にする。

「はい、行ってきます。」


流しで片ずけをしている美香さんに声をかけて、買い物に出かける。



さて、お茶屋さんから行こうかな。

お茶屋は、私のお気に入りのお店のひとつだ。


お店の華さんは、私のおばあちゃんの同級生で、私のことを孫のようにかわいがってくれる。


「華さん、お茶買いにきました。」


76歳になるんだが、まだまだ元気ではつらつとしている。
こう歳をとりたいなと思わせる。


「あら、凛ちゃん。いらっしゃい。いつものでよいのかな?」


「はい。」

「凛ちゃん、新茶が入ったから味見していきなさい。」


そう言って、淡い緑色のお茶を差し出す。
一緒に和菓子も出してくれる。

「いつもありがとうございます。
いただきます。」


「いいのよ~、うちにも凛ちゃんみたいなかわいい孫がほしいわ。」


華さんのとこのお孫さんは、男ばかりだそうだ。


「凛ちゃんが、うちの孫の嫁にきてくれたらよいのに…」


そんなことを言いだす華さん、和菓子が喉につまりそうになった。


あわててお茶を喉に流す。