私の恋は、期限つき

「突然で申し訳ありませんが、大我さんと別れてください。」

「…はい?」

ホントに突然の申し出だ。
推測するなら、この人が大我さんのことを好きなのか…
考えたくないけど、大我さんのお父さまの差し金なのか…

恋愛絡みの対処は、苦手だ。

私は、感情を抑えてビジネスライクに対応するようにした。



「お金が必要なのでしたら、ご用意してあります。ですから、大我さんと別れてください。」

「それがご用件ですか?」

「はい、そうです。」

「失礼ですが、三条さんと大我さんは、どういった関係なのですか?」

「私は、大我さんの婚約者です。」

「…」
予想範囲内だったといえ、ショックうけるもんなんだと実感してしまった。
ドラマや物語じゃなく現実になるとは…

と、いってもスミスの女は、やわじゃない。
こんなことでめげたりしないのだ。

「ですから、あなたとの付き合いは、大我さんも本気じゃないんです。」

「そうなんですか?三条さんは、大我さんから婚約指輪いただいたんですか?婚約者と仰いましたよね。」

大我さんが、私に渡してくれようとしたエンゲージリングを思い出して言ってみた。
そのエンゲージリングを三条さんは、着けていなかった。
というより、エンゲージリングそのものをつけていなかったのだ。