朝。雲一つない青空。
私は、玄関で大きく伸びをした。
藍色のリボンが風に吹かれて解けた。
慌てて結びなおす。
念願のA高に入学し、早半年。
友達も増え、学園生活はなに不自由なく進んでいた。
こういうのを青春って言うんだろうか。
いや、なんか違う気がする。
多分そういうんじゃない。
というか、青春なんてないものと同じだ。
女子の間では、どうしたらイジメにあわないか、避けられないかを考えつつ順調に事を進めるのが日常である。
青春には程遠い。
体育祭の時、肩を組んで「やったね!!」なんて言ってるのは二次元の世界のお話。
どうせ、そんなもんだ。
多分。
私は、スニーカーの紐が解かれていないかを確認して「よしっ」と笑った。
そして、歩き出す。
のんびり、ゆったりと。
いつもの通り、『白いピエロ』になりきって。