切れかけの赤い糸

後ろ姿の正樹を見たのは久々だった。

小学校の頃までは私と同じくらいの身長だったのに、今は正樹の方がぐーーんと高くなってしまった。


そのせいで、私は正樹に置いてかれている様な気にもなった。


『話しかけに行く?』
にやけながら香織ちゃんが言う。


去年まではたまーに後ろ姿を見つけたら後ろから飛び付いて一緒に話すことができた。

でも、今の私にはそんな勇気も行動力もない。

そんなことしたら今は学校で『男好き』と言われてしまうから。
正樹にも変な噂が流れてしまいそうで怖かった。


だから、

『今日はやめる。』

ほんとは今にでも飛び付いて行きたかった。

泣きそうな私は、

『正樹のため、正樹のため、』

必死に自分を慰めるだけで精一杯だった。


もう、空はオレンジ色に染まっていた。