逆上(のぼ)せながらもテーブルに置いてあった自身の手作りクッキーを取ろうとした湖柚の右手を、左手で止める。


そんでまだ握りっ放しだった湖柚の左手もろとも、床に縫い付けた。


「キャーーー!?なんで押し倒してくるのーーー!?」


「ハロウィンなので眠っていたオオカミが目覚めました。責任とって下さい、姫様」


「ちょっ、村星君王子様じゃなかったの!?意味分からないんだけど!」


分からなくていい。だってオレが教えてあげるから。


「お菓子もいいけど、お前が食いたい」


今年のハロウィンは、まだまだこれからだ。


……♪









――――END――――