"……………………ちょっとだけね"



図星。

お互い自宅だった分、ひとり暮らしの彼氏ってどんな感じだろうと想像してしまう。

ご飯作ったり、洗濯したり、するのかな。

……合鍵貰えたりして。









"いいなー。羨ましい"


"結は?合コンどうだった?"


"1回ご飯行ったけど、特に。
ーーーほんと、どうなることやらって感じよ"









病院は世界が狭い。

結は外に出てるみたいだけど、なかなか難しいらしい。






"ーーーやっと少しずつ仕事も慣れてきたし。
焦らず、かな。
黒崎にいい人いたら紹介してって言っといて"

"了解"







ーーーーーーその後は、買い物しにぶらぶらして、またお茶して。


またシフトが分かったら連絡するね、とバイバイした。








"………もしもし、愛?"

"今、大丈夫?"

"おー"




会うのは2週間に1回くらいになっていた。

お互い研修だったり、勉強会だったり。

配属先が決まってから、響はさらに忙しくなった気がする。




"ーーー引っ越しの準備できた?"

"なんとか。
明日朝に荷物全部入れる。
ベッドとか冷蔵庫とか、昼前には全部搬送終わるから、午後から来て"


"分かった"


"駅着いたら連絡して。
迎えにいく"





ーーーーーー引っ越しが決まってから、なかなか響との時間が取れなくなっていた。


"お手伝い頑張るね"


"さんきゅ。
まあひとりだから、そんな荷物ないし。
ゆっくりしよう"