うわ~~~~~~!!!
思わず声を挙げそうになったけど、
「しぃ~~~。」
と、吐息で言いながら、峠くんは私の唇を指先でなぞった。
くすぐったくて、ちょっと笑いそうになった。
いや、それどころじゃないし。
じゃれ合ってるところを大将が白い目で見てるし。
上総(かずさ)んはしばらく沈黙してた。
そして肩でため息をついた。
「美子ちゃん。俺が妾腹だってことは知ってるよね?」
美子さんは大きくうなずいた。
涙がまた、パタパタと散った。
「自分の子供を同じ境遇にしたくない、ってわかるよね?安全日って、嘘だった?」
ぶっ!と大将が吹き出して、慌てて厨房へ逃げて行った。
上総んは珍しく舌打ちした。
うわあ……私なら、もう、それだけでダメだわ。
でも美子さんはしぶと……いや、強かった。
「嘘は言ってません!慣れない仕事で排卵が遅れたみたいです。……やっぱり、喜んでくださいませんよね。ごめんなさい。でも、1人でも育てます!」
おおおお!
思わず拍手をしてしまいそうになって、また峠くんに止められた。
美子さんのことだから、「妊娠したらラッキー」ぐらいの軽い気持ちの確信犯だったんだろうと思う。
あいかわらず、めちゃくちゃだけど体当たりの美子さんに、私はマジで感動すら覚えていた。
上総んは、また、ため息をついた。
そして、私と峠くんを見て、肩をすくめて見せた。
「……かっこ悪いね、俺。」
自嘲的な表情に、私はぶるぶると首を横に振った。
「美子さんは、イイヒトです。ちょっと世間とずれてるとこもあるけど、情の深い、かわいい女性です。……私よりずっと前から上総んのこと、好きやったの。」
合間にイロイロな男性がいた……という事実はスルーした。
上総んは、苦笑した。
「そうだね。それはわかってる。優秀だし、一生懸命やってくれてるし、かわいくてほだされた……んだけどね、さすがに学美ちゃんに言われると、複雑な気分。」
まあ、そうだろうな。
上総んの気持ちももちろんわかる。
わかるけど、私には美子さんのいじらしさがまぶしかった。
「美子さんは、私が喉から手が出るほど欲しかった条件を兼ね備えてはるねん。実家もしっかりしてはるし、歌舞伎をよくわかってはる。私が馴染めなかった世界に飛び込んではる。……真剣に考えてみてほしい。余計なお世話、かもやけど。」
そう言った私の背中に、ドンッと衝撃が走った。
「うわっ!」
と声を挙げて、隣にいたはずの峠くんが椅子からずり落ちた。
美子さんが峠くんを突き飛ばして、私に背後からしがみついて泣いていた。
……び、び、びっくりした!
あまりの衝撃に背中から刺されるのかと思った。
でも、美子さんは声を挙げて泣きじゃくっていた。
ほら。
かわいい。
これだから、どんなにぶっ飛んだ困ったちゃんでも、私は美子さんが好きなんだ。
身勝手なようで、親愛の情をちゃんと表現してくれて……。
「美子さん。大丈夫。上総ん、優しいヒトだから。子供に淋しい想いさせへんし。美子さんのことかて、悪いようにはせんから。ねえ!?」
最後は威圧的に上総んに確認をとった。
思わず声を挙げそうになったけど、
「しぃ~~~。」
と、吐息で言いながら、峠くんは私の唇を指先でなぞった。
くすぐったくて、ちょっと笑いそうになった。
いや、それどころじゃないし。
じゃれ合ってるところを大将が白い目で見てるし。
上総(かずさ)んはしばらく沈黙してた。
そして肩でため息をついた。
「美子ちゃん。俺が妾腹だってことは知ってるよね?」
美子さんは大きくうなずいた。
涙がまた、パタパタと散った。
「自分の子供を同じ境遇にしたくない、ってわかるよね?安全日って、嘘だった?」
ぶっ!と大将が吹き出して、慌てて厨房へ逃げて行った。
上総んは珍しく舌打ちした。
うわあ……私なら、もう、それだけでダメだわ。
でも美子さんはしぶと……いや、強かった。
「嘘は言ってません!慣れない仕事で排卵が遅れたみたいです。……やっぱり、喜んでくださいませんよね。ごめんなさい。でも、1人でも育てます!」
おおおお!
思わず拍手をしてしまいそうになって、また峠くんに止められた。
美子さんのことだから、「妊娠したらラッキー」ぐらいの軽い気持ちの確信犯だったんだろうと思う。
あいかわらず、めちゃくちゃだけど体当たりの美子さんに、私はマジで感動すら覚えていた。
上総んは、また、ため息をついた。
そして、私と峠くんを見て、肩をすくめて見せた。
「……かっこ悪いね、俺。」
自嘲的な表情に、私はぶるぶると首を横に振った。
「美子さんは、イイヒトです。ちょっと世間とずれてるとこもあるけど、情の深い、かわいい女性です。……私よりずっと前から上総んのこと、好きやったの。」
合間にイロイロな男性がいた……という事実はスルーした。
上総んは、苦笑した。
「そうだね。それはわかってる。優秀だし、一生懸命やってくれてるし、かわいくてほだされた……んだけどね、さすがに学美ちゃんに言われると、複雑な気分。」
まあ、そうだろうな。
上総んの気持ちももちろんわかる。
わかるけど、私には美子さんのいじらしさがまぶしかった。
「美子さんは、私が喉から手が出るほど欲しかった条件を兼ね備えてはるねん。実家もしっかりしてはるし、歌舞伎をよくわかってはる。私が馴染めなかった世界に飛び込んではる。……真剣に考えてみてほしい。余計なお世話、かもやけど。」
そう言った私の背中に、ドンッと衝撃が走った。
「うわっ!」
と声を挙げて、隣にいたはずの峠くんが椅子からずり落ちた。
美子さんが峠くんを突き飛ばして、私に背後からしがみついて泣いていた。
……び、び、びっくりした!
あまりの衝撃に背中から刺されるのかと思った。
でも、美子さんは声を挙げて泣きじゃくっていた。
ほら。
かわいい。
これだから、どんなにぶっ飛んだ困ったちゃんでも、私は美子さんが好きなんだ。
身勝手なようで、親愛の情をちゃんと表現してくれて……。
「美子さん。大丈夫。上総ん、優しいヒトだから。子供に淋しい想いさせへんし。美子さんのことかて、悪いようにはせんから。ねえ!?」
最後は威圧的に上総んに確認をとった。



