「紅白、終わったので、お蕎麦食べませんか?って。わ、寒い!」
お兄さんの彼女さんがそう呼びに来てくれた。
手や服を黒く汚して蔵に座り込んでモノに埋もれてた私達を見て、彼女はちょっと笑った。
「かずさん、変わってるって聞いてたけど、学美さんも同じなのね。」
思わず、峠くんと顔を見合わせた。
「よく、お似合いだわ。」
……割れ鍋に綴じ蓋、って言われた気がした。
ま、いいか。
でも、気のせいじゃなかったらしい
どうやらお兄さんの彼女さんは、お兄さんにかなりのステータスを感じてるらしい。
エリート国家公務員で、イケメンで、オシャレで、名家、ってか?
ことあるごとに、お兄さんと峠くんを比較して、優越感に浸っているのが手に取るようにわかった。
お蕎麦をいただいた後、彼女さんと2人で片付けた。
「結婚式はどこでするの?こっち?東京?」
そう聞かれて、思わず首をかしげた。
「考えてませんでした。けど、しないと思います。」
「ええっ!?どうして!?……やっぱり、貯金がないの?」
……あまりにもあからさまで、ちょっと笑ってしまった。
「そうですね。学生なので。」
てか、そのつもりで、明日わざわざ父をここに来させるのだ。
「いいの?一生後悔するわよ?」
彼女さんは真面目に、たぶん一応心配してくれてるつもりでそう言った……全くそんな風に見えないんだけどね。
「身の丈に合わない豪華な披露宴をしても虚しいし、時間とお金の無駄なので。お義兄さんとお義姉さんは、うんと豪華になさってくださいね。楽しみにしてます。」
なるべく角が立たないようにそう言った。
彼女さんは「おねえさん」と呼ばれて、超ご機嫌になった。
「そのつもりよ。楽しみにしててね。うち、名古屋だから、手抜きできないの。」
彼女さんは夢見る瞳で楽しそうにプランを語り始めた。
会場のホテルがどうだとか、ドレスがどうだとか……
一通り語り終えてから、まじまじと私を見て言った。
「ねえ?かずさんのどこがよかったの?やっぱり、顔?」
思わず失笑してしまった。
「さすがに顔で結婚はしないですよ。」
顔なら、上総んのほうが、たぶん上だろう。
当たり前だけど、役者だから身なりにも気を遣ってる。
峠くんは……
「でも、かずさん、会話もテンポが遅いというか。ほんとに、頭いいの?」
さすがにそれは失礼だろ。
……とは思ったけど、確かに、打てば響くタイプではない。
だから野田教授も峠くんの優秀さがわかるのに時間がかかったのだろう。
まあ、仕方ないか。
彼女さんに峠くんのよさを説明しても伝わらないだろう。
私は、あえてニッコリ微笑んだ。
「そうですね。峠くんは、口下手のようですが、真実しか言わないんです。敢えて言葉で言わなくても誠実で、何でもよくわかってくれてるんです。オシャレじゃなくても、貯金がなくても、峠くん自身が私には宝物で、私の財産です。」
お兄さんの彼女さんは、見るからに鼻白んだ。
お兄さんの彼女さんがそう呼びに来てくれた。
手や服を黒く汚して蔵に座り込んでモノに埋もれてた私達を見て、彼女はちょっと笑った。
「かずさん、変わってるって聞いてたけど、学美さんも同じなのね。」
思わず、峠くんと顔を見合わせた。
「よく、お似合いだわ。」
……割れ鍋に綴じ蓋、って言われた気がした。
ま、いいか。
でも、気のせいじゃなかったらしい
どうやらお兄さんの彼女さんは、お兄さんにかなりのステータスを感じてるらしい。
エリート国家公務員で、イケメンで、オシャレで、名家、ってか?
ことあるごとに、お兄さんと峠くんを比較して、優越感に浸っているのが手に取るようにわかった。
お蕎麦をいただいた後、彼女さんと2人で片付けた。
「結婚式はどこでするの?こっち?東京?」
そう聞かれて、思わず首をかしげた。
「考えてませんでした。けど、しないと思います。」
「ええっ!?どうして!?……やっぱり、貯金がないの?」
……あまりにもあからさまで、ちょっと笑ってしまった。
「そうですね。学生なので。」
てか、そのつもりで、明日わざわざ父をここに来させるのだ。
「いいの?一生後悔するわよ?」
彼女さんは真面目に、たぶん一応心配してくれてるつもりでそう言った……全くそんな風に見えないんだけどね。
「身の丈に合わない豪華な披露宴をしても虚しいし、時間とお金の無駄なので。お義兄さんとお義姉さんは、うんと豪華になさってくださいね。楽しみにしてます。」
なるべく角が立たないようにそう言った。
彼女さんは「おねえさん」と呼ばれて、超ご機嫌になった。
「そのつもりよ。楽しみにしててね。うち、名古屋だから、手抜きできないの。」
彼女さんは夢見る瞳で楽しそうにプランを語り始めた。
会場のホテルがどうだとか、ドレスがどうだとか……
一通り語り終えてから、まじまじと私を見て言った。
「ねえ?かずさんのどこがよかったの?やっぱり、顔?」
思わず失笑してしまった。
「さすがに顔で結婚はしないですよ。」
顔なら、上総んのほうが、たぶん上だろう。
当たり前だけど、役者だから身なりにも気を遣ってる。
峠くんは……
「でも、かずさん、会話もテンポが遅いというか。ほんとに、頭いいの?」
さすがにそれは失礼だろ。
……とは思ったけど、確かに、打てば響くタイプではない。
だから野田教授も峠くんの優秀さがわかるのに時間がかかったのだろう。
まあ、仕方ないか。
彼女さんに峠くんのよさを説明しても伝わらないだろう。
私は、あえてニッコリ微笑んだ。
「そうですね。峠くんは、口下手のようですが、真実しか言わないんです。敢えて言葉で言わなくても誠実で、何でもよくわかってくれてるんです。オシャレじゃなくても、貯金がなくても、峠くん自身が私には宝物で、私の財産です。」
お兄さんの彼女さんは、見るからに鼻白んだ。



