情けない。
そんなものを付けさせたいなんて、どれだけ信用されてないのだろう。
もうとっくに私達の間に信頼関係なんかないことを痛感して、私は泣いた。
上総(かずさ)んは、自分が私を泣かしたことに、言いしれぬ満足感を得たようだ。
「……そっか。せっかく学美のために買ったのにな。そんなに嫌なら、じゃあ、これはやめようね。でも、その代わり……剃るね。」
笑顔が、怖かった。
涙が止まらない。
貞操帯と、付属の2つの鍵を脇に放りやると、上総んはシェービングムースとカミソリを取ってきた。
正気とは思えない。
「動くと危ないよ。」
言われなくても、恐怖で動けない。
もう、声も出ない。
ただ涙だけがずっと流れ続けた。
時間をかけて、上総んは、私のアンダーヘアを全て剃り落としてしまった。
「はは。かわいい。ロリコンの気分。こういうのも、いいね。永久脱毛する?」
何を言われても、私は答えなかった。
その気力もなかった。
悦に入った上総んは、私の全身に赤い痣を付けながら、再び抱いた。
助けてほしい。
もう、無理だ。
上総ん……常軌を逸してる。
ごめん。
たぶん、私が不安にさせ続けてしまったせいなのだろう。
けど、もう、本当にダメだ。
まだ少しは残っていた情も、憐憫に形を変えた。
上総んが出発しても、私は放心状態で何もできなかった。
しばらくして、上総んが放置してったカミソリに目が行った。
これで手首を切れば、楽になるのだろうか。
……一瞬そう考えたけれど、慌てて雑念を振り払おうと、頭をぶんぶん振った。
今まで何のために、薬も飲まずに耐えてきたのか。
こんなことで終わってたまるか。
すっかり冷えた心と身体が、逆に頭脳を冴えさせた。
とりあえず山崎医師のところに行こう。
それから、ココを出よう。
そう算段してると、玄関チャイムが鳴った。
宅配?
一階に降りてくと、ドアを開けて峠くんが入ってきた。
「鍵が開いてたから……」
私は慌てて着ていたフリースのガウンの襟元をギュッと詰めた。
……油断した。
まさか峠くんが、上総んの留守にココに来るとは思わなかった。
「山崎先生が心配してる。まなさんの携帯に連絡しても出ないって。何かあったんじゃないかって。」
「それで峠くんに連絡を?そっか。ごめん。迷惑かけて。」
峠くんに近づかないように、たぶん首筋に残されたキスマークを見せないように、不自然に間合いを取る。
「いや、迷惑なんて。俺も心配になって。山崎先生が、無理心中とか自殺とか脅すから。」
ドキッとした。
ほんの一瞬、死を逃げ場にしようとしたことを見透かされた、か。
「まなさん?まさか……」
心配そうに峠くんが近づいてきた。
慌てて逃げようとしたけど、すぐに掴まった。
「見ないで。お願い。」
顔をそむけて、のど元を隠そうとした。
峠くんの顔が歪んだ。
「見ないから。……無事でよかった。」
そう言って、峠くんは私を抱きしめた。
涙が、ぶわっとこみ上げてきた。
でも!
うれしいけど、ココでは嫌!
それに私、シャワーも浴びてない。
慌てて、峠くんの胸を押して逃れた。
「ごめん!ちょっと待って!すぐ身支度整えるから!」
パタパタと階段を駆け上がる。
「朝食、作ろうか?」
峠くんにそう聞かれて、私は叫んだ。
「よろしくー!冷蔵庫の腐りそうなもん全部使い切って!ココ、出るから!」
そんなものを付けさせたいなんて、どれだけ信用されてないのだろう。
もうとっくに私達の間に信頼関係なんかないことを痛感して、私は泣いた。
上総(かずさ)んは、自分が私を泣かしたことに、言いしれぬ満足感を得たようだ。
「……そっか。せっかく学美のために買ったのにな。そんなに嫌なら、じゃあ、これはやめようね。でも、その代わり……剃るね。」
笑顔が、怖かった。
涙が止まらない。
貞操帯と、付属の2つの鍵を脇に放りやると、上総んはシェービングムースとカミソリを取ってきた。
正気とは思えない。
「動くと危ないよ。」
言われなくても、恐怖で動けない。
もう、声も出ない。
ただ涙だけがずっと流れ続けた。
時間をかけて、上総んは、私のアンダーヘアを全て剃り落としてしまった。
「はは。かわいい。ロリコンの気分。こういうのも、いいね。永久脱毛する?」
何を言われても、私は答えなかった。
その気力もなかった。
悦に入った上総んは、私の全身に赤い痣を付けながら、再び抱いた。
助けてほしい。
もう、無理だ。
上総ん……常軌を逸してる。
ごめん。
たぶん、私が不安にさせ続けてしまったせいなのだろう。
けど、もう、本当にダメだ。
まだ少しは残っていた情も、憐憫に形を変えた。
上総んが出発しても、私は放心状態で何もできなかった。
しばらくして、上総んが放置してったカミソリに目が行った。
これで手首を切れば、楽になるのだろうか。
……一瞬そう考えたけれど、慌てて雑念を振り払おうと、頭をぶんぶん振った。
今まで何のために、薬も飲まずに耐えてきたのか。
こんなことで終わってたまるか。
すっかり冷えた心と身体が、逆に頭脳を冴えさせた。
とりあえず山崎医師のところに行こう。
それから、ココを出よう。
そう算段してると、玄関チャイムが鳴った。
宅配?
一階に降りてくと、ドアを開けて峠くんが入ってきた。
「鍵が開いてたから……」
私は慌てて着ていたフリースのガウンの襟元をギュッと詰めた。
……油断した。
まさか峠くんが、上総んの留守にココに来るとは思わなかった。
「山崎先生が心配してる。まなさんの携帯に連絡しても出ないって。何かあったんじゃないかって。」
「それで峠くんに連絡を?そっか。ごめん。迷惑かけて。」
峠くんに近づかないように、たぶん首筋に残されたキスマークを見せないように、不自然に間合いを取る。
「いや、迷惑なんて。俺も心配になって。山崎先生が、無理心中とか自殺とか脅すから。」
ドキッとした。
ほんの一瞬、死を逃げ場にしようとしたことを見透かされた、か。
「まなさん?まさか……」
心配そうに峠くんが近づいてきた。
慌てて逃げようとしたけど、すぐに掴まった。
「見ないで。お願い。」
顔をそむけて、のど元を隠そうとした。
峠くんの顔が歪んだ。
「見ないから。……無事でよかった。」
そう言って、峠くんは私を抱きしめた。
涙が、ぶわっとこみ上げてきた。
でも!
うれしいけど、ココでは嫌!
それに私、シャワーも浴びてない。
慌てて、峠くんの胸を押して逃れた。
「ごめん!ちょっと待って!すぐ身支度整えるから!」
パタパタと階段を駆け上がる。
「朝食、作ろうか?」
峠くんにそう聞かれて、私は叫んだ。
「よろしくー!冷蔵庫の腐りそうなもん全部使い切って!ココ、出るから!」



