オトナチック

「何でポストの中にカミソリが入ってたんだ…?」

杉下くんは訳がわからないと言う顔をしている。

「私もよくわからない…」

今朝の郵便受けの髪の毛と言い、今のポストにカミソリと言い、私たちの身に一体何が起こっていると言うのだろう?

「何か心当たりがあるか?」

そう聞いてきた杉下くんに、私の頭の中に新一のことが浮かんだ。

まさか、私が復縁を断ったことに逆上してこんなことを…?

あまりにも陰湿過ぎるやり方に、私はどうすればいいのかわからない。

「高浜?」

私の名前を呼んだ杉下くんに、
「――特に、ないよ…」

呟くように返事をして、首を横に振って答えた。

私、最低だ…。

本当は心当たりがあるのに、それを隠した。