オトナチック

普段は無口なのに、そんなにも水炊きを食べるのが楽しみなのだろうか?

そう思って杉下くんを見つめていたら、
「どうかしたか?」

杉下くんが聞いてきた。

「えっ…ああ、水炊きが楽しみだなって思って」

そう答えた私に、
「そうだな」

杉下くんは笑った。

普段は無愛想で、会社では表情を変えているところなんか見たことがないのに。

「ああ、そうだ」

杉下くんが思い出したと言うような顔をした後、
「明日会社が終わったら、ちょっと買い物につきあってくれないか?

ばあちゃんにブランケットを買うように頼まれてたんだ」
と、言った。