オトナチック

店の中に入ると、私の心配はあっさりと解消された。

着物を着た愛想がいい店員に案内されるように、私たちは個室へと案内された。

個室は座敷で、それも掘りごたつのような造りになっていた。

「結構いいところだな」

杉下くんはそう言って向かいの席に腰を下ろした。

「そうだね。

一見さんはお断りって言われたらどうしようかとちょっと心配してた」

私も腰を下ろすと、杉下くんに話しかけた。

「たまにはこう言うところで食べるのもいいもんだな」

そう言った後、杉下くんはメニューを開いた。

「水炊きコース…へえ、ドリンクとデザートも込みで5000円だってさ」

つまり、2人で頼んでも1万円って言うところか。