オトナチック

「案外持つよ。

私の食が細いだけなのかも知れないけれど」

答えた後、私はスープを口に含んだ。

杉下くんはスーツのポケットからスマートフォンを取り出すと、それをいじった。

私たちの間に沈黙が流れた。

春雨スープが残り少なくなった時、
「――あのさ」

思い出したと言うように、杉下くんが話しかけてきた。

「何?」

最後の1滴になった春雨スープを飲み干すと、私は声をかけた。

「今日さ、一緒に帰らない?」

そう言った杉下くんに、
「えっ?」

私は聞き返した。

一緒に帰らないって、今まで別々に帰っていたのに何で急に?