オトナチック

「えっ、ええ…」

受付嬢は私の声に驚いたと言うように首を縦に振ってうなずいた。

やっと見つかった…!

杉下くんのお父さんが入院している病院が、やっと見つかった…!

涙をこらえている私に、
「あの、どうかされましたか?」

受付嬢が心配そうに聞いてきた。

「あっ…えっと、電話してきます」

私は早足で受付を後にすると、病院の外に出た。

カバンからスマートフォンを取り出すと、杉下くんに電話をかけた。

「わかった、すぐに行く。

荒子駅の『名古屋西病院』だな?」

電話越しでそう言った杉下くんに、
「駅を出てすぐのところにあるから。

病院の前で待ってるから」

私は言った。