オトナチック

荒子駅を後にすると、
「あっ、あった!」

目当ての病院がすぐ目の前にあった。

病院の中に入ると、受付の方へと向かった。

「寺本和人さんって人が入院しているはずなんですが、何号室でしょうか?」

そう聞いた私に、
「寺本和人さんですか?

少々お待ちくださいませ」

受付嬢はテーブルのうえにあった電話を手に取ると、確認を始めた。

「はい、そうですか。

わかりました」

何回か応答を繰り返した後で、受付嬢は受話器を置いた。

「お待たせしました。

寺本和人さんは集中治療室にいます」

そう答えた受付嬢に、
「本当ですか!?」

私は驚いて聞き返した。