オトナチック

「杉下くんのことが好きだよ…。

同僚としてじゃなくて、男の人として本当に…」

呟くように言った私に、
「俺のことを好きになったから、ばあちゃんにウソをつくのをやめようって言うのか?

だったら俺も高浜のことを好きに…」

「やめてよ!」

杉下くんをさえぎるように、私は叫んだ。

「私は…私は、そう言う意味で言ったんじゃないの」

私は首を横に振った。

「おばあさんのために、私を好きになろうとしないで…。

そんなことをしても、おばあさんは喜ばないよ…」

「じゃあ、俺はどうすればいいんだよ?

さっきも言ったけど、もう後戻りはできない。

できない以上は最後まで…」

こんな時でも、杉下くんはおばあさんのことを考えているんだと私は思った。