オトナチック

その場で立ち止まったら、当たり前だけど見知らぬ光景が広がっていた。

ここは一体、どこだろう?

私はどこまで走ったのだろうか?

走ったせいで熱くなった躰に冷たい空気はとても心地よかった。

だけど、今はそんなことに浸っている場合ではない。

「――何しているんだろ、私…」

自嘲気味に呟いて、空を見あげた。

見あげた空は真っ黒に染まっていて、星が見えない。

「まるで私の心みたい…」

詩のように呟いた後、自嘲気味に笑った。

後ろを振り返った。

「追いかけてくる訳、ないか…」

呟いたとたん、チクリと胸が痛くなった。