オトナチック

「だからもう、耐えられないの…。

おばあさんは私を婚約者だと信じているから…」

「じゃあ、最後まで演じればいいじゃないか!

信じているならなおさらだ。

今さら後戻りをしようって言うのか?

ばあちゃんにどう説明すればいいんだよ!?

ばあちゃんに顔を向けるのをやめろって言うのかよ!?」

杉下くんが怒鳴ったのは、新一が刃物を持ってオフィスへ乗り込んできた時以来だろうか?

もしかしたら、それ以上に怒鳴っているのかも知れない。

「――杉下くんのことが好きなの!」

怒鳴っている彼をさえぎるように、私は怒鳴り返した。

すぐに顔をあげて、杉下くんを見つめた。

杉下くんは驚いたと言うように、私の顔を見つめていた。