オトナチック

「うん、わかった」

首を縦に振ってうなずいた私に、
「バスルームとトイレは共同だから、高浜の好きな時に使ってくれても構わないから」

杉下くんが言った。

「じゃあ、次は高浜の部屋な」

杉下くんはこっちと言うようにリビングを出て行った。

私は彼の後を追うように、リビングを後にした。

「隣が俺の部屋だから」

そう言った後、杉下くんは2つ並んでいるドアの右側を開けた。

部屋の中に足を踏み入れると、掃除機とふとん一式があった。

「ここは物置として使用してたんだ。

ふとんは来客用だから、勝手に使ってくれ」

杉下くんはそう言った後、ボストンバックを置いた。

「本当に、ありがとうね?

急いで住むところを見つけて、早く出て行くから…」

そう言った私に、
「そのことなんだけどさ」

さえぎるように、杉下くんが言った。