オトナチック

両親が離婚してから、おばあさんはずっと杉下くんのそばにいた。

おばあさんは、杉下くんのたった1人の身内だ。

杉下くんはおばあさんのことをとても大切にしていて、おばあさんも杉下くんのことを大切にしている。

大切にしているから、おばあさんは彼が隠していた秘密を私に話してくれた。

自分が亡くなってしまっても、杉下くんを大切にして欲しいとそう願いながら。

そう思ったら、私は泣きそうになった。

同時に、もう無理だと思った。

杉下くんのことを大切に思っているおばあさんに、これ以上ウソをつくことはできない。

「――ねえ、杉下くん」

頭を抱えている杉下くんを、私は呼んだ。

「もう、こんなことやめよう…?

おばあさんにウソをつくの、やめよう…?」

呟くように言った私に、
「――えっ…?」

杉下くんは驚いたと言うように顔をあげた。