オトナチック

チクリと、私の胸が痛んだ。

杉下くんは何を隠していたのだろうか?

両親は死んだと、どうしてウソをついたのだろうか?

それを知りたいと思う反面、知りたくないと思っていた。

もし私が杉下くんが隠していたことを知ったら、私はどんな反応をするのだろうか?

杉下くんも私が隠していたことを知ったら、どんな反応をするのだろうか?

私は深呼吸をした。

――覚悟は、決めた。

私は、杉下くんが好きだ。

同僚としてではなく、同居人でもなく、ただ1人の男として、彼のことが好きだ。

だから、杉下くんが隠していたことを受け止めよう。

私は唇を開いた。

「――わかりました。

お話を聞かせてください」