オトナチック

どうやらここが、杉下くんが住んでいるマンションらしい。

「お世話になります」

そう言った私に、
「同僚なんだから気にするな」

杉下くんが言い返した。

エレベーターで彼の自宅がある5階へと向かった。

「ここが俺の家だ。

合鍵は後で渡しておくから」

『503号室 杉下』と書いてある表札を指差しながら、杉下くんが言った。

ガチャッとドアが開いたのと同時に、
「どうぞ」

杉下くんが中へ入るようにと私を促した。

「お邪魔します」

私はあいさつすると、中へと足を踏み入れた。