オトナチック

杉下くんは私の顔を覗き込むと、
「芽衣子は紅茶でいい?

紅茶以外で飲みたいものがあるなら一緒に買ってくるけど」
と、聞いてきた。

「私は紅茶でいいよ。

気をつけて行ってきてね」

「ああ」

杉下くんは返事をすると、病室を後にした。

彼の後ろ姿を見送ると、おばあさんに視線を向けた。

おばあさんはまだ私を見つめていた。

ストレートティーとほうじ茶をテレビが置いてある小さなテーブルのうえに置くと、
「1つだけ、聞いていいですか?」

私はおばあさんの前に人差し指を出した。

「これから話すことは、和泉さんがウソをついていたことと関係があるんですか?」

そう聞いた私に、
「…そうかも、知れないわね」

おばあさんは呟くように答えた。