オトナチック

バシャッと湯船から出ると、バスルームを後にした。

「ふう、あったまった…」

バスタオルで躰についた水滴をぬぐった後、下着とパジャマを身につけた。

「杉下くん、お風呂…」

濡れた髪の毛をふきながらリビングに顔を出すと、杉下くんはソファーのうえで眠っていた。

思っていた以上に私のお風呂の時間は長かったみたいだ。

杉下くんを起こそうかと思ったけど、疲れているようだからこのまま寝かせてあげることにしよう。

「そうだ、眼鏡を外しておかないと」

もし何かの拍子で壊れてしまったら大変だ。

そう思って眼鏡に手を伸ばそうとしたら、
「――んっ…」

ピクリと杉下くんのまゆ毛が動いたので、伸ばしていた手をすぐに引っ込めた。