オトナチック

杉下くんは首を傾げた。

「どうして私が悩んでいたことがわかったの?」

そう聞いた私に、
「高浜が先に会社に出たのに、俺よりも遅れて帰ってきた日のことがあっただろ?

あの時、高浜の身に何かが起こったんじゃないかって思ったんだ」

杉下くんが答えた。

「ああ…」

会社の帰りに新一に会って、ヨリを戻そうと言われたあの日のことである。

「でも、私…」

杉下くんに何かあったのかと聞かれたけど、私は何もないと首を横に振って答えたはずだ。

「その時の高浜の顔、病気なのかって聞きたくなるくらい青い顔をしてたぞ。

何もないと答えられたからって、黙っている訳ねーだろ。

水炊きを一緒に食べに行ったのも、買い物につきあわせたのも、全部高浜から理由を聞き出すためだった。

高浜の気が楽になったら、何かを話してくれるんじゃないかって思ってた」

杉下くんが言った。