オトナチック

本当だったら見て見ぬふりをされても仕方がないことだ。

なのに杉下くんはちゃんと事情を聞いて、私に手を差し伸べてくれた。

その出来事を振り返っていた私に、
「もうさ」

杉下くんが言った。

「そうやって、何でも1人で抱え込むのをやめろよ」

眼鏡越しの瞳が私を見つめた。

「お前は1人じゃないんだから。

困ったことがあったら俺が相談に乗るし、何かあったら俺がすぐに助けに行く。

だからもう、自分のせいにして1人で抱え込むことだけはやめてくれ」

そう言った杉下くんの顔は、今にも泣きそうな顔をしていた。

どうしてそんな顔をしているの?

そう聞きたかったけど、
「うん、ありがとう」

私は首を縦に振ってうなずいた。