「わかってるなら聞くなよ」
「一煌素直じゃないからね。
昔は素直で超可愛かったのに、なんでこんなふうに育っちゃったのか」
「琴と同じこと言うなよ。それに昔のことは言うなっていつも言ってるだろ」
「ははっ。まだあのこと気にしてんの? あんなの小さい子の何気ないひと言じゃん。
まぁだけど、好きな子に言われたら気にするもんかなぁ」
ほんと人の傷口抉る天才だよ、悠馬は……。
「はーちゃんかなり鈍いから苦労するだろうね」
悠馬の言う通り、琴羽は一聖に負けず劣らず鈍い。
だから俺が苦労してるわけだけど。
「もう告っちゃえばいいのに~」
他人事だと思って楽に言ってくれるけど、そんな簡単じゃない。
それを難しくしたのは俺なんだけど。