悠馬とは通っていた幼稚園で知り合った。


もちろん一聖のことも琴羽のことも悠馬は知ってる。


俺よりは付き合いはないけどふたりも幼なじみだからだ。


「それにしてもいっくんが悩むなんてめっずらしいじゃん?」


「いっくん呼ぶな」


「はいはい。で、ついに何かやったの?」


全然悪びれた様子もなく遠慮なんてしない悠馬は突っ込んできた。


「別に。何もねぇよ」


語尾が少し弱くなる。


「はいー。嘘だね。一煌が悩むことなんてはーちゃんのことだけでしょ」


はーちゃんは琴羽のことだ。


悠馬だけは昔から琴羽のことを「はーちゃん」と呼ぶ。