そんなことをしている内に時間はどんどんと過ぎていき、気付けばもうすぐ一煌を起こしにいかなきゃいけない時間になってしまった。


重い体を動かして制服に着替えて朝ごはんを食べるけど喉を通らない。


「琴羽どうしたの? どこか体調でも悪いの?」


ぼーっとしながらご飯を口に運ぶ私を見てお母さんが心配そうな表情で見ていた。


「え、ううん。そんなことないよ」


食べれるだけ食べると身なりを軽く整えて家を出る。


だけどどうしよう。


家を出たはいいけど、ちゃんと話できるかな。


玄関ドアにもたれたまま下を向いていると、隣の家の玄関が開いた。


驚いてそっちを見ると出てきたのは一聖だった。


「あれ琴ちゃん、おはよう。どうしたの? そんなところで」


「お、おはよ……。あの今から一煌起こしに行こうと思ってたところで」


なんで心臓バクバクしてるの?


一聖に朝から会えて嬉しいはずなのに、素直に喜べないよ。