隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~




「昨日」


心の中でお母さんに怒っていると、一煌が急に昨日のことを言い出したのに鼓動が跳ねる。


「新刊買ったのに琴羽の部屋に忘れて帰ったから」


「だ、だからって私の部屋で読まなくても」


「琴羽に話があったから」


漫画を閉じてベッドから起き上がると私にやっと目を向けてくれた。


それに何だかホッとしてしまう。


いつもの一煌だって。


「話って何?」


よかった。いつも通りに話できてる。


ベッドを背もたれにして座ると、一煌を見上げる。


「昨日のことだけど」


言い出してまた黙りこんでしまった。