隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~




私の悩み事が何かも知らずに呑気に漫画を読んで自分の世界に浸る一煌。


そういえば長い付き合いだけど、一煌の恋愛話とか聞いたことがない。


誰が気になるとか好きとか今まで一切その類の話したことなかったかも。


「ねぇ、一煌」


「んー? やっと話す気になった?」


静かに漫画を読んでいた一煌は目はそのまま漫画に向けたまま返事をしてきた。


「一煌は好きな子いるの?」


「……は?」


漫画に向いていた目が瞬間に私を捉え、ポカンとされる。


「何急に。琴羽の悩みごとって俺のことだったとかある意味ビックリなんだけど」


「ち、ち違うよ! 悩みごとはあるけど、ちょっとその気になっただけで」


「琴羽が俺のことで気になるなんて珍しいな。

でも、そういうこと他の男の前で軽く聞かないほうがいいぞ」


「え、なんで?」


「そういうわかってないとこが危なっかしいんだよ……」