隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~





まさか真子ちゃんがあんなこと言い出すなんて思わなかった。


家に帰ってきた私は課題を広げてみたものの、真子ちゃんからの提案のことをずっと考えていた。


いやいやそれはないよね。


だってそんなこと言えないでしょ。


絶対に断られるの目に見えてるし。


う~んと右へ左へ頭を傾けながら唸ってみる。


「あのさ、悩むか課題やるかどっちかにしたら? 琴羽は器用じゃないんだから、二つ同時にできないだろ」


ひとりしかいなかったはずの静かな部屋にいきなり声がしてビックリする。


「一煌っ! か、勝手に部屋に入らないでよ」


「何回もノックしたのに返事しなかったのは琴羽だろ」


「え、そうだった? そ、それよりどうやって家に?」


「どうって、別におばさんが普通に入れてくれたし」


お母さん一煌が大好きだからって勝手に入れないでよ。


一言声かけてくれてもいいでしょ!


小さい頃から何度もお互いの家を行き来してる一煌も慣れたもので、いつも座る場所は決まってるから我が物顔でテーブルを挟んで私の真向いに座る。