「琴、適当なアドバイスしてんじゃねーよ。バカ」
軽くコツンと頭を指で叩かれたけど、一煌は一聖と同じで滅多なことじゃ怒らないんだよね。
呆れられることはあっても怒ってるところはあんまり見たことがない。
私達を見ていた真子ちゃんがふと何かを思いついたように私の制服の袖を小さく引っ張る。
「どうしたの?」
真子ちゃんが近付いてきて私の耳元でコソコソと話す。
「えぇっ!?」
それを聞いた私は思わず大きな声をあげた。
一煌は何だと訝し気に見てくるけど、真子ちゃんからの提案に動揺を隠せない。
「いい案だと思うんだけどどうかな? よく知ってるしいいと思うんだけど」
どうかなと言われても……。
いくら真子ちゃんからの提案でもそれはちょっと。
一煌がいる手前これ以上は何も言えずに苦笑いを返すしかない。


