隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~





「私……どうしたら一聖と両想いになれるのかな」


お昼休み。


教室で真子ちゃんとお弁当を広げながらコソコソと話す。


「何かあったの?」


「特に何があったというわけじゃないんだけど、幼なじみ以上に思われるにはどうすればいいのかなって」


今朝の彼氏ができるかもしれない発言といい、一聖は私のことなんてやっぱり何とも思ってないんだよね。


「自分の好きな人が自分のことをどう想ってるのかって凄く気になるものだよね。

でも、琴ちゃんはそのままでいいと思う」


「今までと変わらずでいいってこと?」


「より距離を縮めるためには努力も必要だとは思うけど、無理に背伸びして何かをしようとすると逆に疲れちゃうと思う。

だから私は今のままの琴ちゃんでいいと思うんだけど……ごめんね、なんかちゃんとした答えになってなくて」


ううんと首を横に振る。


「そんなことないよ。

私と一聖って小さい頃からずっと一緒にいたから、どうしたらいいのかわからないっていうのが正直なところで。

好きだけどこのままでいいのかなってちょっと焦っちゃった」


焦ったって一聖の気持ちが急に変わることなんてないのに、朝のあの言葉はちょっとショックだったなやっぱり。


「好きな人の何気ない一言って結構グサッとくるものがある」


ウインナーを食べながら盛大な溜め息をつく。


「琴ちゃんのその気持ちよくわかる。

私もそういう経験あるし」