「一煌もいい加減に自分で起きれるようにならないと」
登校中いきなり一聖が切り出す。
「琴ちゃんがいつも元気に起こしにきてくれるとは限らないよ」
どういう意味だろうとふたりの会話に耳を傾けていると
「ま、その時はその時」
「またそんな呑気なこと言って。琴ちゃんだっていつも健康ってわけじゃないんだよ。
体調悪くて休む日だってあるんだから、そういう時どうするの」
あ、そういう心配なんだ。
てっきり一煌の将来を心配して言ってるんだと思ってた。
「一聖お前ってちょっと考え方が斜め上な時あるよな」
ズバッと言い切った一煌に一聖が目をぱちくりさせる。
「どういう意味? 俺は間違ったことは言ってないでしょ」
「ま、いいや。とにかく心配しなくてもその時はその時だから。
大体、琴羽が体調悪くて休むとかまずない」
ハッキリと言い切る一煌に今度は私も言い返す。


