ベッドを見るといつからそこにいたのか、相馬家の愛猫レオンが丸まって気持ちよさそうに一煌の隣に寝ていた。
「レオンも一緒に寝てたの?」
「ん? あー……だから温かいわけだ」
気付いてなかったのか。
一煌が寝てる間にレオンが布団に潜り込んだのね。
「いつまでも起きないところをレオンも見習っちゃダメだよ」
ピンク色の小さな鼻をチョンと人差し指で軽く突くと、レオンが小さく身じろぎしてうっすらと目を開ける。
その可愛さに朝から怒っていた気持ちがスッと引いて胸がきゅんとする。
あ~!! なんでこんなに可愛いんだろ。
誰かさんと大違いだよ。
私が何か言いたげな目を向けていたのに気付いた一煌。
「飼い主によく似るって言うだろ。
レオンは俺が気持ちよく寝てるのを起こしちゃいけないと思ってわざと起こさなかったんだよ」
「あーハイハイ。そうですね」
ほんと昔から考え方がポジティブというか、無理矢理というか。
着替え始めようとしていた一煌にレオンをひと撫でしてから部屋を出た。


