ちょっとでも一聖に可愛く思われたくて毎日ちゃんとセットしてる髪なのに。
一煌は人の気も知らないでっ。
「琴はかしこまった髪型よりそっちのが似合うと思うけど。
今朝と同じで鳥の巣みたいで」
「鳥の巣……? くく……っ!」
ニヤリと笑った一煌がバラした私の爆発した頭のこと。
一聖の前で言うなんて信じられない!
笑われちゃったし!
「一煌のバカ! なんでそういうこと言うの!」
「ほんとのこと言って何が悪いんだよ。
俺って素直だからつい口から思ってることが出ちゃうんだよな」
「よく言う! 誰が素直なのよ。
この口が憎い~~!!」
一煌の顎を掴もうと必死に手を伸ばすけど、届かないこの身長差が悔しい。


