変わりつつある部屋を見ながら一聖が私に尋ねてきた。 「え、あの」 「ほとんど俺がやった。 琴に任せてたら今日中に終わらないし」 「そうなんだ。昔から一煌は何やらせても要領よかったもんね」 私が言い淀んでいる内に一煌がフォローしてくれた。 一聖に怪しまれないようにって思ってるのかな。 さっき一煌が何を思って一聖のことを言ってきたのかわからない。 でもあれ以上聞かれなくてホッとしてる自分もいる。 一聖が来てくれたことで安心しきった私は、気を取り直してまた作業を始めた。