隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~





「まだ持ってたのか、これ」


私の手からテディベアを取ると思わず笑みを零す。


「これって一煌と一聖がおこづかい貯めてふたりで私の誕生日にくれたプレゼントだよね」


「よく覚えてるな。

小学生の時だし、そんな大きいのは買えないからって一聖と結構揉めたんだっけな」


私によく覚えてるとか言いながら、一煌だってよく覚えてる。


「大きさなんて関係ないよ。

ふたりが私の為に選んでくれたってことが凄く嬉しいし、価値があるものなんだから」


一煌が返してくれたテディベアを大事に胸に抱く。


「琴羽がちゃんと大事に持っててくれて、きっと一聖のヤツも喜ぶと思うぞ」


そうかな? そうかも。


一聖なら「持っててくれてありがとう」って言いそうだもん。


そのことが安易に想像できて、つい頬が緩む。