隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~




模様替えすること1時間が経過した頃。


私がいる物といらない物の分別をしている間に、一煌はひとりで家具を動かして部屋のイメージをガラリと変えていく。


昔から思ってたけど、一煌って要領いいんだよね。


結構器用だったりするし、無駄がないっていうか。


手早く作業していく一煌を見ながらちょっと昔のことを思い出していると、クローゼットの奥から懐かしい箱が出てきた。


それは、私が小さい頃に好きだったものが詰め込まれた箱。


あまりの懐かしさから一旦作業の手を休めて箱の中身を確認する。


蓋を開けると中から出てきたのは真っ白だけど、少し汚れたテディベア。


「琴羽、手止まってる」


一段落したらしい一煌が私の後ろから顔を覗かせる。


「見てみて! これ凄く懐かしい!!」


私が両手で抱えて見せたテディベアを見て一煌も懐かしさに目を細める。