のは良いんだけど……。
「で、どういうふうにしたいとかあるの?」
軽く腕まくりした一煌に聞かれて首を傾げる。
どうって言われても。
私が黙って何も答えずに立っていると、隣から呆れた声がした。
「琴羽のことだから、そんなことだろうと思った」
「え? そんなこととは」
「昔から思ったことが先に口から出て、肝心なことは何も考えないからな、お前」
「そんなこと!」
「ないって言える?」
聞き返されても言い返せない。
そりゃあね、深く考えずに口走っちゃうことはよくあることだけど。
私がむぅ~っとしていると、一煌はさっさとひとりで作業を始めてしまう。


