また始まったよ。
お母さん昔から一煌のこと大好きだからなぁ。
一煌も私には意地悪だけど、お父さん達の前だと別人みたいに好青年演じてるし。
「お婿さんなんて気が早いし、そんなのあり得ないから」
「そんなこと言ってると、どこかの誰かさんに横取りされちゃうんだから」
毎回思うけど、お母さん絶対に私が一煌のこと好きだって勘違いしてる気がする。
私が好きなのは、一聖なのに。
ちょっとむくれていると、一煌が急にこっちを振り返った。
「琴もう食べ終わった?」
「うん、もう大丈夫だよ」
「じゃ、始めるか」
一煌のひと言で部屋の模様替えを始めることにした。


