よく知った声が妙にクリアに聞こえてきて、パチッと目を開けると見慣れたクリーム色の天井が視界いっぱいに広がった。
「こら寝坊助。今何時だと思ってんの?」
むぎゅっと鼻をいきなり摘まれてぼーっとしていた頭が一気に覚醒する。
ガバッと起き上がり呆れ顔の幼なじみに目を向ける。
「な、なんで一煌が……?」
「まだ寝惚けてんのか。
昨日急に部屋に来て、明日部屋の模様替えやるから手伝ってほしいって言ったの誰だったっけ」
「へ?」
「へ?じゃない。必死にお願いするから貴重な休みを使って来たのに何?
自分が言ったこと覚えてないの?」
ベッドの上で硬直した私は、目の前にいる一煌が言ったことを順を追って動き始めた頭で整理する。
確かに昨日そんなことお願いした気もする……。
「朝起こしてって言われたから来てみれば、怪しい笑いを漏らして寝てるし。
幼なじみの俺だから驚きもしないけど、琴羽の寝顔あれはヤバイから他のヤツに見せない方がいいぞ」
ヤ、ヤバイって何?
人様に見せられないほど酷いってこと!?
まだセットされてないボサボサの頭に両手を当てて青くなる。
「で、どうすんの?」
ベッドに腰を下ろした一煌がボサボサの頭に触れる。