無題

当時小学生の私は、上演中に外に出てはいけないことを知らなかった。


お母さんもうっかりして私にその事を注意するのを忘れていた。


ゆっくりとイスから降り、ゆっくりとみどり色の光に向かって歩く。


偶然か必然か、ドアが少しだけ開いていた。


私は静かにそのドア開けて外に出た。


初めて来た大きなホール。


普通の子なら一人でトイレにいかないだろう。


でも残念なことに私は普通ではなかった。