ていうか本当に頭クラクラしてきた。


どうしよう、また熱出てきたかもしれない。


焦点も合わなくなってきた。



そんなあたしに気付いたのか、舜はあたしの上から退いて


役目を失した乾いた冷えピタを額から取って、新しい冷えピタを付けてくれた。




「顔色悪くなってきた。寝てろ」




舜はそう言うと、毛布をもう一度掛け直してくれた。



寝たいけど……舜が何するか分かんないしな。



そんな事を考えながらも、風邪には勝つことが出来ず、静かに目を閉じた。



でも聞こえてしまった。

寝ているあたしに、舜がこう言っていたことを。




「ホワイトデーには、言うこと何でも聞いてもらうからな」




《…一生起きたくない…》



―END―



→あとがき