Addictive Gummi


 御礼と謝罪を述べ、そそくさと裏へ下がった。

「ちょっともう、それじゃ出れないじゃないの」

 バックヤードに戻ると、アルバイトを仕切っているおばさんに睨まれた。

「しょうがないから、あんたはここで、下げてきたお皿片付けたり、瓶の栓抜いて渡してって」

「はい、すみません」

 優雅な立食パーティーの裏側は戦場だ。どれだけ動けるかで評価される。

 赤ワインの染みが出来たブラウスでは表に出ることが出来なくなり、裏方の仕事に徹した。



「はい、どうもお疲れ様でした」

「お疲れ様でしたー」

 パーティーが終わり、仕事が終わる。
 会場側の人に礼儀正しく挨拶をしたあと、ぞろぞろと更衣室へと移動する。

 そして私はトイレへ寄った。
 手遅れだとは思うけれど、脱いだブラウスを一応水洗いしておこうと思った。

 一人遅れて帰ることになり、エレベーターに乗ろうとしたところで、例の女性とそのオトモダチと鉢合わせた。
 やって来た私に気付き、ぴたりと話をやめた。

「あ……」

「さっきはどうも」

 ありがとうと言われるのかと思ったら違った。

「余計なことしてくれたよね」

「えっ?」